<登場人物・キャスト>
語り手:奈良岡朋子/おしん:田中裕子/加代:東てる美/清太郎:石田太郎/政男:森篤夫/仲人:久遠利三/雄:山野礼央/奉公人:斉藤高広/みの:小林千登勢

<あらすじ>
加賀屋の援助で、おしんは酒田の町に一膳飯屋を出すことになった。大正13年の晩秋に佐賀の田倉(たのくら)家を出てから、目まぐるしい変転の後にやっとたどり着いた暮らしであった。おしん25歳、大正14年の暑い夏が始まろうとしていた。

風鈴が揺れている。
「この度は、ほんとにお世話になりました。おかげさまで店の手入れも終わりましたので、明日店の方へ移らせて頂きます」
夜、おしんは加賀屋の奥の部屋で清太郎、みの、加代に挨拶をした。
清太郎「店はいづから?」
おしん「はい。明日色々準備致しまして、あさって大安吉日だそうなもんで」
みの「ああ。開店には私も手伝いに行くからな」
加代「おっ母様なんて邪魔なだげだぁ、手伝いは私一人で十分」
清太郎「2人とも何言ってるだ! あさっては日がええがらって、政男さんがうちさ戻ってくるんだ」
みの「ああ、そうでしたのう……」

加代「別の日にしてもらってくれ。おしんの大事な日に、店に出てやれねえなんて」
清太郎「仲人さんと何度も話し合って決めたんだ。変える訳にはいがねんだ」
おしん「お加代様、お加代様には大事な日です。店のことなんか。第一お客様見えるかどうか、一人も見えないかも知れないし」
清太郎「おしん、米のことは心配すんな。ええ米安く回してやっから」
加代「ああ。『さすが米どころの飯屋だ』って言われるように、オレが米選んでやる」
おしん「よろしくお願い致します」
みの「雄坊のことはよーぐ気を付けてやるんだぞ。火を扱うからな。やけどでもさしたら、一生この商売したことを悔やまねばならねえようになっからな」
雄は今みのに抱かれている。清太郎が「こっちゃ来い」と言うが雄が断り、場は笑いに包まれた。






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