<登場人物・キャスト>
語り手:奈良岡朋子/おしん:田中裕子/加代:東てる美/清太郎:石田太郎/政男:森篤夫/雄:山野礼央/店の客:加地健太郎・大阪憲/店の客:大屋隆俊・堀隆博・宍戸久一郎/奉公人:斉藤高広/みの:小林千登勢
<あらすじ>
加賀屋の援助で酒田に飯屋を開店したおしんは、その1日目から商売の自信を失ってしまっていた。ただ一人も客がなかったのである。考えあぐねたあげく、おしんは翌日から店を閉めてしまった。
台所に座って眉間にしわを寄せているおしん。
加代がやってきた。入り口の「本日休みます」の貼り紙を見てため息をつき、そのまま踵を返す。
ちょっと不機嫌で加賀屋の勝手口から入ると、途端にみのから声をかけられた。
「おしんに会ってきたのか? 何してた? うん? 加代! もう」
すぐに答えない加代にいらいらして急かす。
「今日も本日休業の貼り紙がしてあったから、そのまま帰ってきた」
「なして。様子見に行ってやったんではねがったのか?」
「たったの1日で店閉めてしまうなんて、まあおしんも情けねえおなごになってしまったもんだ。そんなおしんに会ったってしょうがねえんだ」
「そういう時こそ力になってやるのが、友達ではねえのが?」
「オレのしてやれることはちゃんとしてやったつもりだ。あとはおしんの根性一つだ。今自分で立ち直らねえと、これがら先店なんかとってもやっていけやしねえ」
「やっぱり、飯屋は無理だったのかのう……」
「自分でやりてえって言っておきながら、今更」
加代はさっさと奥へ入っていった。みのはいても立ってもいられない風に立ち上がる。
おしんはB4ほどの大きさの紙に筆で一枚一枚宣伝文句を書いていた。
「飯屋を始めました。ご飯に一汁二菜、漬物の定食三十銭。朝飯は二十銭。その他一品料理も数々あります。安くて量はたっぷり、美味しいのが自慢の店です。是非一度お越し下さい。湊通り めし 加賀屋」
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語り手:奈良岡朋子/おしん:田中裕子/加代:東てる美/清太郎:石田太郎/政男:森篤夫/雄:山野礼央/店の客:加地健太郎・大阪憲/店の客:大屋隆俊・堀隆博・宍戸久一郎/奉公人:斉藤高広/みの:小林千登勢
<あらすじ>
加賀屋の援助で酒田に飯屋を開店したおしんは、その1日目から商売の自信を失ってしまっていた。ただ一人も客がなかったのである。考えあぐねたあげく、おしんは翌日から店を閉めてしまった。
台所に座って眉間にしわを寄せているおしん。
加代がやってきた。入り口の「本日休みます」の貼り紙を見てため息をつき、そのまま踵を返す。
ちょっと不機嫌で加賀屋の勝手口から入ると、途端にみのから声をかけられた。
「おしんに会ってきたのか? 何してた? うん? 加代! もう」
すぐに答えない加代にいらいらして急かす。
「今日も本日休業の貼り紙がしてあったから、そのまま帰ってきた」
「なして。様子見に行ってやったんではねがったのか?」
「たったの1日で店閉めてしまうなんて、まあおしんも情けねえおなごになってしまったもんだ。そんなおしんに会ったってしょうがねえんだ」
「そういう時こそ力になってやるのが、友達ではねえのが?」
「オレのしてやれることはちゃんとしてやったつもりだ。あとはおしんの根性一つだ。今自分で立ち直らねえと、これがら先店なんかとってもやっていけやしねえ」
「やっぱり、飯屋は無理だったのかのう……」
「自分でやりてえって言っておきながら、今更」
加代はさっさと奥へ入っていった。みのはいても立ってもいられない風に立ち上がる。
おしんはB4ほどの大きさの紙に筆で一枚一枚宣伝文句を書いていた。
「飯屋を始めました。ご飯に一汁二菜、漬物の定食三十銭。朝飯は二十銭。その他一品料理も数々あります。安くて量はたっぷり、美味しいのが自慢の店です。是非一度お越し下さい。湊通り めし 加賀屋」
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